2025年12月19日
歯みがき用品
製品レビュー17「systema SP-Tシリーズ」

systema SP-T

今年11月21日発売のLIONのsystema SP-Tを使用しました。製品は歯磨きジェルと洗口液、歯ブラシがあります。

【歯磨きジェル】

SP-T GEL Plusは従来版では配合されていなかったGK2(グリチルリチン酸ジカリウム)により口腔内細菌叢(口内フローラ)を細菌が少ない状態に整えて歯肉の炎症を抑え、歯肉炎や歯周病の予防をします。細菌叢コントロール(GK2によるバランス調整)、殺菌作用(IPMP)、ホストケア(歯肉ケア)(抗炎症のトラネキサム酸+ビタミンEで炎症、出血を抑える)の3つのアプローチで歯周病予防を強化します。
従来版と比べ口腔内細菌叢へのアプローチと歯肉ケア成分(ビタミンE、トラネキサム酸)が強化されています。
使用感は以前とあまり変わらず、ジェルタイプなので歯肉にやさしく味も刺激が強すぎず丁度いいかと思います。従来版よりも歯肉ケア成分が多く配合されているので、より歯周病患者にアプローチできる製品になっています。

【洗口液】

systema SP-T DENTAL WASHはダブル殺菌(CPC+IPMP)、バイオフィルム形成抑制(CPC+IPMP)、抗炎症(GK2)の3つのアプローチで歯肉炎の発症を防ぎます。以前使用したアース製薬のモンダミン ハビットプロに対し本製品は歯科医院専売ではなく、ハビットプロにはないIPMPを配合しています。(ハビットプロはトラネキサム酸を配合しています)
モンダミンハビットプロが主に歯肉炎・口臭・出血を防ぎ、CPCの殺菌効果が長時間続く独自設計でノンアルコールで低刺激なのに対し、本製品は歯周病リスクが高い人にも対応しバイオフィルム形成の抑制にもアプローチできるものになっています。
使用感はハビットプロに比べると刺激と薬感が強かったです。同じ希釈なしのハビットプロが1回20mL、20~30秒間洗口するのに対し本製品は1回10mL約20秒間洗口が推奨されているのでハビットプロよりは量と時間は少なく済みます。低刺激を求める歯肉炎予防の患者さんにはハビットプロを、高刺激で歯周病予防の患者さんにはSP-Tが良いかと思います。

【歯ブラシ】

systema SP-T TOOTH BRUSHは超極細のスーパーテーパード毛を密に植毛し、歯肉にやさしくケアできる歯周ケア歯ブラシです。コンパクトヘッドとストレートハンドルにより口腔内でのコントロールがしやすいものになっています。本製品は従来型と比べ設計変更などはありません。従来型と同じく細かい部分までやさしく入り込め、SPT期(歯周病安定期)のセルフケアに向いたものです。
使用感は他社の歯ブラシよりも毛がやわらかくなっており、歯肉にやさしい印象です。歯磨きジェルと洗口液と一緒にすすめたらいいかと思います。

【まとめ】

  • 歯磨きジェルは従来版と比べ口腔内細菌叢へのアプローチと歯肉ケア成分(ビタミンE、トラネキサム酸)が強化されています。
  • 洗口液はIPMPを配合してバイオフィルム形成の抑制に特化しています。
  • 歯ブラシは従来型と変わらず細かい部分までやさしく入り込める歯周ケアに特化したものです。
    う蝕予防よりは歯周病予防を求める患者さんにすすめたいと思います。