2022年02月24日
お知らせ
妊娠と歯周病

妊娠するとホルモンバランスの変化によって歯周病になりやすいことをご存じですか?

妊婦さんに起こりやすい歯周病を妊娠性歯周炎といいます。

妊娠中はホルモンバランスの変化だけでなくつわりによる吐き気がひどくなることで食生活が不規則になったり歯磨きが不十分になったりして結果的に歯周炎のリスクが高くなるのです。

歯周炎というと口の中だけのことだと思っている人も多いかもしれません。ところが歯周病にかかっていると糖尿病や肺炎、心筋梗塞などのリスクが高くなると言われています。

さらに歯周病の人の早産リスクは7.5倍といわれています。陣痛は、子宮収縮作用のあるプロスタグランディンという物質の分泌が高まって起きます。このプロスタグランディンの分泌を促すのが、サイトカイン。これは炎症によって増える生理活性物質です。
ですから、細菌などに感染して絨毛膜や羊膜などが炎症を起こすと、やはり早産の原因になります。サイトカインが増えて、その刺激でプロスタグランディンが分泌され、子宮の収縮が起きて早産になるというわけです。
これと同じメカニズムが、歯周病にも当てはまるのです。歯周病は歯周病菌によって炎症を起こしている状態だからです。歯の周りの炎症→サイトカインが増加→プロスタグランディン分泌→子宮の収縮→早産、となるのです。実際、歯周病の程度が重くなるにつれ、血中のサイトカインが増えていますし、サイトカイン数値の高い人ほど出産時期が早くなっていることもわかっています。

妊婦さんが歯科治療を受けられるタイミングは、妊娠16~28週(5~7ヶ月)の妊娠中期になると安定期に入るため、通常の歯科治療が受けられます。妊娠初期に歯周病などの気になる症状がある場合は、母体の負担にならないような応急処置をしてもらい、安定期になってから治療をはじめるといいでしょう。

歯周病予防に効果があるのは、なんといっても歯磨き。歯ブラシのポイントは、歯と歯茎の境目。ここを意識して磨きましょう。歯と歯の間は糸や歯間ブラシを使って磨くといいですね。電動歯ブラシもおすすめですが、手できちんと磨けば十分きれいになります。

磨き方は、1ヵ所2本単位で約30回、小刻みにブラッシングしていきます。磨き残しのないように、スタート地点と終点を決めましょう。
たとえば、右奥歯下の外側からスタートしたら前歯外側を通って左奥歯までの外側までを磨く。そこから左奥歯の内側に入り右奥歯へ。今度は右奥歯の上の外側から左奥歯へ、左奥歯内側に入ったら右奥歯内側へ。こうしてていねいに磨くと15~20分かかります。毎食後は無理でも、1日1回、夜にでも時間をとって、しっかり磨いていくようにしましょう。お風呂に入りながら、テレビや雑誌を見ながらなど、時間を作ってください。
出血や歯茎の腫れといった程度の症状なら、きちんと歯磨きをしていけば治ります。歯磨きは、細菌を取り除くだけでなく、歯茎の血流を良くするマッサージ効果もあります。歯周病を治療、予防して、できるだけ早産のリスクを減らしましょう。

ドレミ歯科 スタッフU